本書は、介護をどうすればよいかのハウツーものではなく、いわゆる「ぼけ」とは何なのか、どのような基本的態度・考え方で臨むのがよいかという視点で書かれている。臨床医である筆者の経験から構成された、架空のある家族の初期から終末期までを順次たどっていき、その解説が加えられるという構成で、とてもわかりやすい。重いテーマにもかかわらず、著者のあたたかな視点により、いやな感じが少しも無く読める。
新書版259ページの中に、疾患の種類・態様、診断、社会制度、介護のあり方など、必要な情報を過不足なく丁寧に整理して記述している。私は、TVなどの断片的情報で「ぼけ」の現象面だけを見聞きしていたが、この本を読むことで、基本的な理解は十分に得られたような気がする。オススメの一冊。