病気と闘わなければならない老夫婦となった親に対して、「娘としてどんなことができるか?」という課題は、私にとっても身近なこと。この本のなかに散りばめられている、娘の「立場」や「思い」が痛いほどわかり、共感をそそりました。
病気はお医者さんが治してくれますが、心のケアや物理的なケアは家族が団結してこそ成し遂げられること。その意識をしっかり持ち、「じゃあ自分にできることは?」と問い、考え、模索しつつ実行にうつす過程や失敗が明るく記されていて、読み進むうちに、著者のお父様が自分の父親、お母様が自分の母と重なり、「お父さん頑張れ!みんな頑張れ!」という気持ちがこみ上げて来ました。
もし、親ががんだとわかったお友達がいれば、私はこれからこの本をプレゼントするでしょう。読むことで、元気がわいてきます。子として何をすればいいのかが見えて来ます。著者のケースとはちがっても、自分なりにすべきことや、してあげるといいことのヒントがたっぷり詰まっています。
「親ががん」というけっしてうれしくはない体験を、こんなふうに伝えてくれた著者は、たまたま職魚がライターという「伝えることが仕事」だったというのは大きいかもしれませんが、そのおかげで世の中に必要な書が生まれたという気がしています。