山口貴由の美学が炸裂した出世作です。舞台は核戦争や大災害により荒廃し、戦術鬼という魔物が蠢く近未来の東京。その戦術鬼を束ね人類支配をもくろむ“現人鬼(あらひとおに)”散と、その弟である葉隠覚悟との宿命の対決を描いたバトルアクションです。 マンガ夜話で夢枕獏さんが、「誰にも似ていないというのはクリエイターとして素晴らしい」旨の事を語られてました。
特異な世界観、個性的なキャラクター、「雑草などという草はない!」といった数々の名セリフ、大きな文字が画面に重なる演出など、全てが新しく見えました。また特筆すべきは、葉隠一族が装着する様々な能力を秘めた“強化外骨格”のアイデアです。零、霞、雹、霆、震と全部で5体出てくる強化外骨格のデザインは、どれも本当にカッコイイ!
覚悟や散、ライの体に埋め込まれた、1つにつき皮膚の7%を鉄甲化できるという“零式鉄球”も斬新だった。埋め込むには地獄の苦しみがあるその鉄球を、覚悟は8つ持っている。覚悟が“零”を装着不可能な非常時に、全身の56%を鉄甲化した異形の姿で闘うシーンには燃えました。
最強の格闘術「零式防衛術」の師であり2人の父親でもある朧VS散の親子対決や、覚悟VS衛兵隊長・ボルトなど、名勝負が目白押しです。全ての内臓を口から吐き出しながらも仁王立ちするボルトは凄すぎる。
最終の壮絶な兄弟決戦と、その後の大団円ラストへの怒涛の展開も見事の一言。