どのページも色鮮やかで、工夫されたイラストやグラフが満載。開いて眺めてページをめくっているだけでも楽しい。視覚的に興味を沸き立たせると同時に、うまく理解させるためにとてもよく考えて構成されてている。
しかし、ひとつひとつ読んでいくと、ところどころ詳細部分ではレベルの高い説明が行われている部分も多い。つまり、見た目が良いだけではなく、深く知りたい人にもそれなりに応えてくれる構成になっている。特に、第3編の遺伝、第4編の後半の生体防御の説明は、さりげなく高度な内容を含みながらも大変コンパクトでうまくまとまっていて、素晴しかった。
各ページの下部に、さりげなく英語表記の説明があったりする。また、最新研究現場からの報告も、ところどころに入っている。大変よく練られている。読み応えがある。興味深い一冊である。
最後に、科学的な書籍に対してこういうコメントは失礼かもしれないが、内容の充実度から比較して考えると、本書のシリーズはかなりお買い得である。まず、科学系の書物の比較でいくと、Newtonムック別冊シリーズ1冊の半分の値段で、BlueBacksシリーズのぶ厚めの新刊とほぼ同じ価格帯にある。大して中身のない新書や文庫でさえ700円を超えるものがそう珍しくなくなった時代に、総カラーでイラストや写真満載の内容で良質な複数の研究者のコラムも入って紙質も良くてこの値段は安い。分厚くないから場所もとらない。半端な図鑑類を買うより、よほどお勧めである。