本書で紹介されている方法がどこでも、どのような生徒にでも通用するとは思わない。しかし、このような、体育会系の方法とでも呼べるような方法を用いる意図や意義を、大学教育に携わるものは一度まじめに考えてみてよい。テキストを使って問題を解かせるだけでは効果は上がらない。その対極にある様な、学生の自主性や創意工夫を引き出すことをねらった(うたった?)方法も、なかなかうまくは行かない。そこで、本書にある様な、かつて多くの学校(小中高校)で行われていた様な方法を見直してみたらどうだろう。
私自身も中学生の頃、同様のことをさせられた(朝日新聞の「天声人語」の視写を週に2〜3回、夏休みはほぼ毎日)。そのせいで文章がうまくなったかどうかは必ずしも自信がないが、何を狙ってこういう課題を学生に課すのか、どのようにその方法を用いるのか、などを考え抜き、実践した記録がここには紹介されている。大学で言語を教える者であれば検討し、試してみる価値のある方法が紹介されている。