出版社 / 著者からの内容紹介
「法令が多いのはよくないことである」「倹約ばかりではかえって大きな出費となる」「下情に通じること、通じすぎないことが肝要」「改革がすべて正しいと考えるのは誤りである」 これは、御三家筆頭頭尾張藩の第七代藩主徳川宗春が、藩主就任にあたって執筆した基本政策書『温知政要』の条文に書かれているものである。自らの政治理念を版本にして家臣にしめした大名は、江戸時代を通じて、宗春ただ一人である。 今年生誕300年を迎える宗春が、尾張藩主になったのは、八代将軍吉宗が主導する享保の改革の時代であった。緊縮政策と経済統制で幕府の財政危機を乗り越えようとする吉宗に、真っ向から異議をとなえ、独自の自由化政策/開放政策で、名古屋に空前の繁栄をもたらしたのが宗春である。これに対し吉宗は、将軍を頂点とした中央集権体制への危険因子と考え、宗春を隠居させる。 宗春のめざした政治はこうして業なかばで挫折させられるが、彼の政治思想は「規制緩和」の必要がさけばれる現代にも通用するものである。本書は、宗春の生涯を追うとともに、宗春の政治の意味を吉宗の政治と対比させながら現代的視点からとらえ直し、低成長下の時代を乗りきるための考え方を提示するものである。 また、宗春作の茶杓などの初公開資料を含め、多数の写真を収録した。
内容(「MARC」データベースより)
倹約なんかくそくらえ! 独自の開放政策から、尾張に空前の繁栄をもたらした名君・徳川宗春。将軍吉宗が最も怖れた男の思想と生涯を現代の視点から考察する。
出版社からのコメント
吉宗が推し進める享保の改革に真っ向から反対し、独自の自由化政策・開放政策で尾張に空前の繁栄をもたらした「名君」徳川宗春。吉宗を畏怖せしめた名君の人と思想に迫る。