本書は「見通す力」という題名から、何かスピリチュアルな意味合いがある本のように思いますが、池上さん流の情報収集方法とその情報の使い方を読者にわかりやすく伝える本です。本書が特に強く主張しているのは、集めた情報から自分なりの「仮説」を立てることの重要性です。さらに、その仮説が正しいかどうかを検証し、間違っている場合には常に修正し、また新たに仮説を立てていくことが必要だとしています。日々のニュースを見通すには、新聞は記者の書かれた内容がそのままダイレクトに読者に届きやすいが、一方、テレビニュースは、誰にでも理解できるように映像編集されていることを知っていて欲しいとしています。「サブプライムローン」、「二世議員」や「自動車業界の将来」などの問題を、本書後半には池上さんがどのように仮説を立てて検証したのか、その方法を具体的に説明しています。特に本書での新聞雑誌の合理的なスクラップ方法はとても有益でした。読者に先を「見通す力」を授ける本ですね。