2006年に出版された「見捨てられた高校生たち−知られざる「教育困難校」の実態」をアップデートして再出版したものです。ここで描かれている「教育困難校」はどこにでもあるいわゆる「底辺校」とされる高等学校で,毎日が壮絶な状況にあることが描かれています。教育困難校とされている高等学校は偏差値で輪切りにされ,中学校では少数の課題を抱えた生徒が集まって集団となっている学校だと考えて良いでしょう。おそらく普通のいわゆる進学校から大学というルートで社会人になった人は生涯を通じて足を運ばなければ知らなくてすむ世界ですが,足を運べば,近づきたくなくなる世界があることがこの本からわかります。比率的には10人に一人か5人に一人は教育困難校に入学し,途中で退学したりするかもしれませんが,卒業しても社会的弱者になっていくことになるわけです。今,貧困の問題もクローズアップされていますが,教育困難校の実態は社会の闇の縮図とも言える状況だと本書を読んで思いました。政治家や行政関係者にも読んで欲しい本です。