きっと世の中のあちらこちらにあふれているだろうな…と思うような、目を背けたくなる暗い現実を淡々と描いていく短編が収録されている。
新しくマンションにやってきた家族に執拗ないじめを繰り返すことで、主婦たちはストレスを発散し、妻たちの行いに疑問を感じつつも、いじめがエスカレートするほどに活き活きしていく妻に喜ぶ夫…。
姑に嫌われ、旦那からも虐げられ、存在価値を見出せない嫁は、反撃に出ようと心に決め、息子を失った悲しみから立ち直れない夫婦は、その死を受け止められないがためにぎくしゃくしていく…。
人の心の奥にある“嫌な面”や抗えない苦しい現実を目の前に突きつけられたようで、いろいろと考えさせられた。モチーフが重く、精神的にこたえるので、読むのにはある程度の覚悟が必要。