血管腫による赤アザを持つ女性は、ある就職面接の場で顔のことを笑われたうえに「うつる病気なのではないか」「客が嫌がる」などと放言されたあげく、面接にも落ちてしまう。アザを持つ幼い子どもの母親は、通りすがりの人間から「どうしてこんな顔にさせたのか」と叱られてしまう。その他、周囲の無理解、多大な苦痛を伴うレーザー治療、学校でのいじめ、結婚への障害など読んでいて胸が痛くなる体験談ばかりだ。
体験談の多くは、それでも自分は生きていくとの希望を漂わせて終わる。だが編者によると当事者が体験を語り始めるまでには、ある程度の期間が必要だったらしい。それほど辛く重い体験ということだろう。それだけに本書はユニークフェイスの当事者たちにとって、貴重な第一歩である。そして同時に、彼らを苦しめている最も大きな要因が、当事者ではない人間による偏見や先入観であることも明らかにしている。本書は、顔とは何か、普通とはいったい何なのかを考え直す機会を与えてくれる得がたい1冊となっている。(工藤 渉)
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