常々感じていたことだが、日本では学校でもオフィスでも、ファイリングの重要性と、実際に則した体系的なファイリングのノウハウが軽んじられてきた気がする。
学生時代も社会人になってからも、そうした「教育、訓練」を受けてこなかったせいで、情報整理に悩み、時間管理や発想法を模索し、あるいはビジネスチャンスを逃したかもと気に病む人が多いようだ。それは昨今のメモ術や手帳術のブームとも決して無縁ではあるまい。
Wi(ダブルインデックス)式や、超整理法、あるいは山根式などの整理法(ファイリング)が個人向けで簡便であるのに対し、本書はオフィス向けだ。
しかし皆が、家庭で使う個人向けファイリングを、そのままオフィスに持ち込んで使える環境にはない。また、オフィスでの体系的なファイリングシステムを理解することは、パーソナルファイリングの一助になることもある。
そこで本書だが、例えばバーチカルファイル、ホリゾンタルファイルの紹介から、バインダー、ファイルボックス、ハンギングフォルダ、レバーファイル、クリアホルダー、クリアブック、ケースファイルまで、あるいはそれらを上手に使いこなすキャビネットの有効活用法まで、図解入りで分かりやすく解説されており、オフィスでのファイリングの入門書として最適だ。
オフィスで使える体系的なファイリング技術の長短を知ることで、前述した個人向けファイリング法の優れた点を再認識できたという点でも、少なくとも私には目からウロコの良書だった。
また、企画書・提案書の書き方、カタログのファイリング、名刺や書籍・雑誌の整理法など、ファイリングを広義にとらえた側面もあるので、新入社員にはビジネス書としても役立つだろう。