勤めていた出版社を辞め、妻の代わりに家事をこなしながら日々を送る主人公、昂一。ある日、妻の親友である由香里と肉体関係を持ったことから、昂一は奇妙な事態に巻き込まれていく。由香里の持つ特殊な「力」や、常識では説明できない出来事の数々。その疑問を解くため向かった土地で、昂一が探し当てたのは、由香里の不幸な生い立ちと、妻の知られざる少女時代の姿だった。
本書の核となっているのは、妻と由香里の長年に渡る愛憎入り交じった関係である。双方の家族をも含めた、切っても切れない絆を描くことで、著者は人間同士の繋がりの強さと脆さを表現してみせる。全編を通して登場人物の喜怒哀楽が細やかにつづられており、超常現象という題材を扱いながらも、決して突飛な印象はない。いくつもの謎が仕掛けられた物語に引き込まれるうちに、主人公と共に、読者自身も大きなテーマについて考えさせられるだろう。(砂塚洋美)
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最も参考になったカスタマーレビュー
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
ちょっと不思議な世界。生きる意味を考えさせられる。,
By Beee (東京都小田急線沿い) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 見えないドアと鶴の空 (光文社文庫) (文庫)
表紙の「ひまわり」、そして「見えないドア」「鶴の空」それらがキーワードであり、登場人物の言葉同士つながりが、あぁこういうことだったんだと最後にわかる。途中の高僧の言葉や穴の中での思考は、今の私には少し重い気もしたが、きっとしばらくしておもいかえして、なるほどと思えるような気がする。作者のいつもの恋愛・生きるとは?という路線の小説に、「不思議な力」の世界がプラスされている。この作家のちょっと新しい側面である。
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「小説」の衣を借りた、作者からの強烈なメッセージ,
By
レビュー対象商品: 見えないドアと鶴の空 (光文社文庫) (文庫)
「シチュエーションが現実離れしていて突拍子もないストーリー」と言えばそう言えなくもないが、この小説はその架空の物語を借りて「大勢の人に囲まれた中で生きる…とはどういう事か」「苦しくてもなぜ人は生き続けるべきなのか」を訥々と語った名作です。そのメッセージは今までの白石作品よりもかなり鮮明に浮き出ていおり、面白い状況設定と相まって一気に読ませます。これは若い人こそ読むべき作品。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
うーん。,
By
レビュー対象商品: 見えないドアと鶴の空 (光文社文庫) (文庫)
白石一文の作品は8割くらいは読んでいるが、ここまで登場人物全員が魅力的でない話しは初めて。仕事を全くする気がなく奥さんに食わしてもらいながらも奥さんの親友と浮気をする主人公、相手の浮気を責めるが2年間浮気(しかも変態的な性行為)をした絹子、好きでもない男の子供を産み産んでからすぐに親友の旦那を寝とる由香里。 白石一文氏はセンチメンタルでしかもありがちな恋愛本(一瞬の光、もしわたしがあなただったら等)か、ひどく思想的な本(僕の中の壊れていない部分、この世のすべてを敵に回して、この胸に深々と突き刺さる矢を抜け等)に極端に分かれるが、この本はどちらつかずで、両方の要素がきちんと成立していない。(ダブルになるはずが、ハーフ×2にもなっていない) しかも、最期の方のグダグダ感はかなりひどかった。よって☆は2つで。
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最近のカスタマーレビュー
5つ星のうち 3.0
うーん。。
文庫本の表紙が一面の向日葵で綺麗なのが目につき、また白石一文さんの作品が好きなので買いました。... 続きを読む
投稿日: 2008/1/23 投稿者: MIC365
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