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覇王の番人(下) (講談社文庫)
 
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覇王の番人(下) (講談社文庫) [文庫]

真保 裕一
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

信長から家康の時代を真に動かしたのは誰か 天下取り目前の信長は本能寺に斃れ、光秀も消え、戦世は再び大きく様変わりしていく。秀吉・家康と続くこの時代を真に動かしたのは誰なのか。渾身の時代大長編。 --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

血みどろの戦を重ね、光秀は信長を「天下人」へ押し上げる。だが、冷酷非情な信長は無惨な虐殺をくりかえし、自らを神と称するようになる。悩んだ光秀は、ついに決断を下す…。亡き親の敵と信長をうらむ小平太は忍びとなって、光秀を助けるべく本能寺へと急ぐ!史上最大の謎が今ここに解き明かされる。

登録情報

  • 文庫: 560ページ
  • 出版社: 講談社 (2011/9/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062770571
  • ISBN-13: 978-4062770576
  • 発売日: 2011/9/15
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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By say
形式:単行本
明智光秀が本能寺の変を起こし
信長を討ち取り、秀吉に討たれることは
史実として知っているので、読み進めることは辛くもあったが
フィクションならではの希望が感じられるラスト。

史実とつき合わせても、「あり得ない」ではなく
「もしかしたら本当にそうだったかもしれない」
と思わせてくれるフィクションぶりが 流石真保さんで
これが事実だったのではと半ば本気で思った。
そこには救いがあった。

歴史は勝者が語るもの。
なればこそ、史実こそが作り話かもしれない。

事実だとされていることも、人が伝えたこと。
人は多くの場合、冷静に公平に見ることが出来ず
自分の立場や利益や感性に任せて伝えることもある。

歴史小説の中には、ただのミーハー心や
作者の妄想に近い希望ばかりが盛り込まれていて
見ていて不快であったり、子孫の方の心情が心配になるものも多々あるが
この小説はそれぞれがそれぞれに魅力的に描かれており
その上で真保裕一個人の感性で立ち入りすぎもせず
『こうだった』と断定するのではなく
『こうだったかもしれない』とする筆者の弁えぶりとセンスの良さ
はたまた読者の想像をかきたてる描き方には脱帽。

これが物足りないと感じる人もいるのだろうが
私はひたすらに、好感を持った。
歴史上の人物は夢物語のヒーローではなく
実在した人物ということは、意外と見落とし勝ちな事実で
作家や歴史家先生でも平気で土足で踏みにじるようなまねをすることもある。
そういった点が全く無かった、と言って良いと思う。

個人的に興味があったかごめかごめの歌の『謎』など
さらりといろいろな説が取り込まれており
この小説に感動するだけでなく
史実を学ぶことへの興味ももたせてくれる
素晴らしい歴史小説と言えるだろう。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
戦国の世の虚しさと、抗うことすら出来ず、時世の流れに翻弄される明智光秀。
誰もが知る戦国武将。
そんな彼の一人の人間としての生き様を描く。
はかない命の上にこそ生る固い信念と強い絆を礎として。

心地よいリズムの文体、まるで画を映すような表現。
冒頭から作者の筆力に引き込まれる。
程よい硬さは、本編の武家社会を律している。

どの人物も旨く味付けされていて、心惹かれた。
特に忍びの小平太との絡みは作品に奥深さを増している。
涙を誘うセリフ、心を掴まれるような場面が随所に散りばめられ、やがてクライマックスの本能寺へ向かう。
それまでに至る背景や、移りゆく心の裡は読み手に具に伝わり、
「本当にこうだったのではないか」とすんなりと受け入れることが出来ると思う。

クライマックスはやや失速したかのようにも感じた。
淡々と進んで行った。
しかし、それが光秀の心の表れだったのかもしれない。

真保作品のほとんどに言えることだが、
終盤に差し掛かると、この本を読み終えるのが寂しくてならなかった。
悲しい話でありながら、読後に萌す清々しさに、やはり読んで良かったと感動した。
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 海援隊 VINE™ メンバー
形式:単行本
おそらく真保裕一初の歴史物だと思うが、ハードカバー上下二巻の大作を読破した。正直、最初は真保裕一が歴史物なんて書けるのかなと疑いつつ読み進めたためか、いつもとタッチが違うせいか読書スピードが遅く、うまく流れに乗れなかったが、上巻の1/3を過ぎたあたりから引き込まれ、いつもの真保小説と同様に最後まで本を手放すことができなかった。

この本、戦国時代末期から安土桃山時代の世の中を描いているのだが、歴史上は逆賊とされている明智光秀を正義、織田信長を悪として設定し、通説に疑問を呈しているところがまず面白い。織田信長が自らの権力を増やしていくとともに権力を更に増やすことに執着し、部下の武将たち、民衆への気遣いが減っていき、それに対して明智光秀が徐々に懸念を増していく様はストーリーとして自然であり、歴史とも符合するのではないか。さらに面白いのは歴史上あまり明らかでない戦場における忍者たちの活躍が大きく取り上げられているところ。明智光秀は忍者をうまく使って武功を挙げていたとのこと。題名の「覇王の番人」は、想像するに織田信長の番人であった明智光秀、織田信長の後に覇王となった明智光秀の番人であった忍者たちという二重の意味を持たせているのではないか。
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