その名の通り要件定義フェーズの為の本である。示唆に富んだ内容を「保証印ゴキブリ退治器」、「収束設計プロセスセミナー」などの比喩を使って面白く書いてくれていてとても読みやすくなっている。
要件定義フェーズをあつかった本は、"いかに曖昧さを減少させるか"、"いかにユーザーニーズをコントロールするか" といった収束手法に傾倒しがちなものが多い中、"いかに関係者のアイデアを引き出すか"、"いかにユーザーの満足度を高めていくか"、などニーズ生成手法にも力を入れている。その根底には、"ユーザーの満足度=プロジェクトの成功尺度"という当たり前だが軽視しがちな基本がしっかりと根付いている印象を受けた。
要件定義の初め方から終わり方まで抑えるべきポイントを具体例をもって示してくれていて新しい発見もあったし、参考にもなった。ただアプローチの具体例はいかにもアングロサクソン的なものが多く、日本的なアプローチへのアレンジは要りそうだ。