恥ずかしながら40代半ばにして初めて海音寺
潮五郎の作品を読みました。
本書は薩摩の生んだ幕末の二大英雄、西郷隆盛と
大久保利通の友情とその破綻を描いた作品です。
小説は西郷と月照の入水の場面から始まり、維新
後の征韓論決裂の場面で終わります。二人の生き
様の違いが様々な形、すなわち下級武士の家に
生まれた二人がどのようにして大藩島津家の重役と
して活躍の場を得るに至るか、先代当主島津斉彬
への思い入れ、情の深さと合理性、目的と手段の
どちらを重んじるか、といった多面的な見方で描か
れていきます。
大部ですが、評者にとっては初めて知る話も多く、
あまりの面白さにあっという間に読了しました。
次は熟読してみようと思います。
一点述べておくとすれば、本書では文久二年の
寺田屋事件から征韓論までの、いわば幕末維新史
のハイライトを飛ばして構成されているため、
この間の出来事を全く知らない読者にはやや
理解困難かもしれないということでしょうか。
来年2011年には新幹線もできるとのことで、
私は本書読了後、鹿児島に遊びに行きたく
なりました。海音寺先生の作品は、これから
順次読みこんでいこうと思います。