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西行花伝 (新潮文庫)
 
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西行花伝 (新潮文庫) [文庫]

辻 邦生
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

商品の説明

第31回(1995年) 谷崎潤一郎賞受賞

内容(「BOOK」データベースより)

花も鳥も風も月も―森羅万象が、お慕いしてやまぬ女院のお姿。なればこそ北面の勤めも捨て、浮島の俗世を出離した。笑む花を、歌う鳥を、物ぐるおしさもろともに、ひしと心に抱かんがために…。高貴なる世界に吹きかよう乱気流のさなか、権能・武力の現実とせめぎ合う“美”に身を置き通した行動の歌人。流麗雄偉なその生涯を、多彩な音色で唱いあげる交響絵巻。谷崎潤一郎賞受賞。

登録情報

  • 文庫: 718ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1999/06)
  • ISBN-10: 4101068100
  • ISBN-13: 978-4101068107
  • 発売日: 1999/06
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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形式:文庫
西行。1118年、武士・官吏の家に生まれたが23歳のときに出家し、没するまで修行を続け、当代一の歌人とうたわれた人物である。
たとえば小林秀雄なら、仰ぎみる姿勢のまま極限まで人物に近づいて、その背景にあるものを推論し、その思想の根源までわけいるかもしれない。
しかし、辻邦生が描くと叙情的な絵巻物になるのがたまらなく魅力的だ。
辻邦生は、決して長くない生涯で西欧の歴史や事象を材とした作品を多数残しているが、その根底に必ず幻想的で静謐な物語がある。
あたかもその場面に遭遇しているというより、さらにファンタジックな寓話的なストーリーだ。この西行の行状記もその例にもれない。
ここに描かれる西行と親交のあった人々のモノローグ、その一言一言に温かい視線を感じる。山を歩き、峠を越え、河を渡って歌を書き連ねた西行の姿がはかない夢のように浮かび上がってくる。
なぜ日本人は花鳥風月を愛で、癒されるのか? そのことがしんしんと胸に迫る必読の1冊。
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49 人中、45人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
心地好い諦観をも超えて、生きる歓びを。と、とてもきれいな気分にしてくれる話です。こうした話で文章がうまいのは最低条件でしょうが、辻邦生さんの文章はおいしい日本酒のようにすーっと落ちていく名文です。西行の生きた時代は武士が登場した時代でした。やや長いのですが、朝廷内の権謀術数や、公家から武家に権力が移っていく過程を描くことで、決して飽きさせません。歴史物は面白いけど、俗っぽいのであまりすきではないのですが、この本はそうした俗っぽさがなく好きになりました。ただ「西行伝」ではなく、西行花伝なのですから。
このレビューは参考になりましたか?
21 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
形式:文庫
西行は、このようにして覚者となった、という単なる西行伝ではありません。詩を通じて、花を介して、辻邦生が、自分の人生での目覚めの過程をみごとに織り込んでいる秀作です。西行の中に遊び、花の中に遊ぶ、そんな登高し終えたものだけに許される安息の中で、物語は幕を閉じます。そして、ある意味では、この作品をもって、辻自身の登高の果ても、花々に許されたのかもしれません。
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