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西田幾多郎の生命哲学 (講談社学術文庫)
 
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西田幾多郎の生命哲学 (講談社学術文庫) [文庫]

檜垣 立哉
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

ベルクソン、ドゥルーズとどのようにつながっているか?
純粋経験、自覚、場所、叡智的世界、絶対無、絶対矛盾的自己同一…
西田とは「生命の哲学」である!
西田が論じたひとつのこと
西田の哲学の特徴は、波が同じことをめぐってさまざまな仕方で議論を展開したことにある。さまざまなテーマを経るといっても、それは、原理的に、ひとつの問題をめぐって、接近する方法を執拗に変更していったことにほかならない。ではそこで、西田が論じたひとつの問題とは、率直にいって何であるのか。それは簡単にいえば、「行為」という方向からこの世界に存在する「私」を考えることであるといえる。そしてそのことは、「生成する世界」とは何かという問いと、必ず表裏一体をなすことになる。「行為する私」と「生成する世界」、それら両者が結びつく地点に、西田が見てとる「現実」が定位される。(中略)生命論としての西田という姿が浮かびあがるのは、こうした視角からである。そこで、生きているこの私と、生成しゆくこの世界とは何であるのかという、生命を論じる根幹のような主題が開かれていくことになる。<本書より> --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

純粋経験、自覚、場所、絶対無、行為的直観、絶対矛盾的自己同一…。一見、難解なことばにみずからの思索を託しながら、西田が終生追い求めたひとつの問題とは何だったのか。ほぼ同時代を生きたベルクソンとの交錯に着目し、ひいてはドゥルーズら現代思想につながる「生命の哲学」として西田哲学を再評価し、注目され続ける、俊秀の記念碑的力作。

登録情報

  • 文庫: 352ページ
  • 出版社: 講談社 (2011/1/13)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 406292031X
  • ISBN-13: 978-4062920315
  • 発売日: 2011/1/13
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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21 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ソコツ トップ100レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
いろいろと独自の色づけもなされているが、現代思想研究者による「西田哲学入門」の書物とみてよいと思う。キー・ワードごとに、ほぼ西田の思想・哲学の変遷にそうかたちでその意味するところが説かれている。
著者には無礼になるが、内容をあえておおまかにトレースすれば、「純粋経験」の思考を深めていったのはよいがそれを「自覚」するための空間である「場所」の臨界点としての「絶対無」の位置づけをめぐって行き詰まり、田辺元による批判や自己の徹底的な反省もあって、「行為的直観」という個体に内在しつつ超越しつづけるための生成論的な認識を進化させながら「絶対矛盾的自己同一」というあの有名な世界理解の視点と方法に到達する、といった趣旨である。前半がベルクソン、後半がドゥルーズに近い思考スタイルであるとして対比的に論じられる。
「難解」で知られる西田哲学も大分わかりやすく整理できるようになってきたのだなあ、という感想をもった。日本における思想・哲学研究の発展のたまものか。弟子筋による「共感」的な解読や批判者の攻撃的な読みや用語をあげつらった素人の揶揄のどれとも違う、淡白な西田論でよみやすい。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
 西田幾多郎の、主に生命論を主軸にした論考である。西田の思考の歩みを初期、中期、後期と丹念に辿りつつ、同時代人であるベルクソンの思想の類縁性と相違を論考し、さらに現代のドゥルーズの思想との接近を描いた、独創的な視点が面白い。西田の著書を多少読まないと難しいかもしれないが、そこを実にうまく咀嚼して紙数の制限された新書に分かりやすく形にしているところは著者の西田理解の深さを示すものだろう。

 評者は、仏教や禅思想、唯識思想を思い浮かべながら読み進めたので、首肯するところが多々あった。
 西田の禅経験、仏教知識はもちろん相当のものがあっただろうが、直接そうした禅、仏教哲学が前面に出てくることはない。西欧の近代哲学や数学理論を駆使して思考してきたその独自で強靭な軌跡に触れることはできるだろう。
 
 そもそも生命とは何なのだろう? 自己生成。自己組織化。自己創出。世界が与えた課題への解答。自己と他との相互作用。しかし最初から生命はなかった。物質がある瞬間生命へと変化する。生命の起源の諸説は多々あるけれど、ここでの西田=檜垣の論考は、原−生命体というものがあるとして、それは生気論でも機械論でもなく、ポイエシス(自己創出)である個体と世界との無限の相互作用の結果にほかならないとする。進化とは、現在の動揺から新たな現在の動揺へと個体が自ら動くことによって、新たな課題に解答をし続けていくことなのだ。微分化された個体や個体の中の微分化は宇宙という全体と不可分ではないはずだ。生命科学はそれをミスティシズムと呼ぶだろう。

 そうした個体とは、他の個体と環境、世界との関係の折り重なっていく無限の関係性のなかにある。現在の生命科学の知見からすれば、あまりに思弁的かもしれない(では、たとえば、なぜシュレディンガーがヴェーダンタ哲学の凡我一如へ接近したのか?)。だが、生命体としての人間が自己の生命を思考するというパラドクス(自己言及性)をいかに乗り越えるかは、まさに人間のこの「識」にかかっているのではないだろうか?
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By トップ500レビュアー
形式:新書|Amazonが確認した購入
幾多郎の純粋経験から自覚、場所、行為的直観、絶対矛盾の自己同一に至る思索の深まりの軌跡をその理由とともに描いている。又、ベルクソン、ドゥルーズのそれと並行的に書き進められているため三者の問題意識とその解決手法が鳥瞰的に見渡せるようになっており非常に分り易い。
以下、関わりのある文章を列記する。
.純粋経験
私が、世界が、判別不能の未分化な体験を生きている。「視覚に純一なる画家が直線の中に曲線を見、すべての色の中に白と黒とへの傾向を見る」というがごときのものである。
区切りを入れてしまうから私と世界の関係という贋物の問題が現われる。そして、「私」の生と死、「他人」の生と死も生まれる。
.自覚
純粋経験(主客以前)の「限定」の働きでありそれは「反省」によってその姿を現す。(潜在から顕在へ。連続の不連続)このことが再び潜在性を生じさせる。ウロボロスのように。(識別不可能性-ドゥルーズ)
.場所
意識を超えた、つまり有無をを超えた超意識界でありすべてが「同時的」に存在する。(無限速度での俯瞰がなされる-ドゥルーズ)
この世界に存在しるものは、あらゆるものと予め結びついている。(潜在的な関係性の無限性)異質的な連続性としての多様体。(相互浸透的)関係性は階乗化されている。(述語論理)
(想起とは、そうした錯綜したあり方を解きほぐすことである)
.行為的直観
「生」には「死」が、「今」には「永遠」が、「自己」には「他」が予め非連続として介入してしまっている。一瞬一瞬がそれ自身の否定でありながら常に新たなものが現われてくるような「現在」の産出性。(「作るもの」と「作られるもの」の相互交錯)
.絶対矛盾の自己同一
個物は「過去」からの因果性「未来」からの目的性によって規定されきってしまうことはない。この世界は予め与えられた「私」も「対象」もなく目的も起源もなく「絶対無」の上に個体と個体が相互に規定し関係性の全体を内に含み創出しつづける。
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