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西田幾多郎の思想 (講談社学術文庫)
 
 

西田幾多郎の思想 (講談社学術文庫) [文庫]

小坂 国継
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

日本最初の哲学書といわれる「善の研究」の執筆者で近代日本を代表する哲学者、西田幾多郎。
強靱な思索力で意識を深く掘りさげ、心の最深部にある真実の心は何かを探求し、独自の哲学大系を構築した。西田哲学とは実際どのようなものなのか。
本書は、求道者西田の思索における悪戦苦闘の跡を辿り、その思想の特色と現代的意義を分かりやすく紹介する。

内容(「BOOK」データベースより)

日本最初の哲学書といわれる『善の研究』の執筆者で近代日本を代表する哲学者、西田幾多郎。強靱な思索力で意識を深く掘りさげ、心の最深部にある真実の心は何かを探究し、独自の哲学大系を構築した。西田哲学とは実際どのようなものなのか。本書は、求道者西田の思索における悪戦苦闘の跡を辿り、その思想の特色と現代的意義を分かりやすく紹介する。

登録情報

  • 文庫: 384ページ
  • 出版社: 講談社 (2002/5/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 406159544X
  • ISBN-13: 978-4061595446
  • 発売日: 2002/5/10
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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形式:文庫
この本はNHKのラジオ講座の教科書が元になっており、啓蒙書だろうと思ったが、どっこい、じっくり腰をおろして読むことになった。西田幾多郎は石川県金沢市生まれの哲学者であり、同時代・同郷の鈴木大拙とともに石川県が誇る思想家である。実は僕も石川県生まれで、小さいときから学校で西田幾多郎の偉さを聞かされ、高校生の倫理社会の時間には、先生から講義があったほどである。しかし、精神年齢が極めて低い僕には、ちんぷんかんぷんだった記憶がある。小坂氏のこの本は、西田の全著書・書簡集はもちろん、鈴木大拙を始め、西田と親交あつかった多くの人物の書簡も紹介され、西田幾多郎の思想史(研究史)といって過言ではないと思う。小坂氏は、西田幾多郎の『純粋経験』という哲学概念を、『道を歩いていて、思いがけなく野辺に咲く花を見、「アッ」と驚きの言葉を発したその瞬間状態』と紹介しているように、実に分かりやすい。かといって、西田の哲学概念の引用は、正確であり、直接、西田の著書に触れることにもなるといって過言ではない。ところで、今、何故、西田哲学なのか?小坂氏は、最後の方で地球環境について述べているが、これは西田の『行為的直観』=『物となって見、物となって行う』に関連しているようである。言い換えれば、地球環境保全には、自己(いろんな自己があるだろうが)を、それらを否定して、『地球となって見、地球となって行う(行うという意味は広いようだ)』ことが必要だと僕は理解している。何れにせよ、この本を読めば、西田は抽象的論議をもてあそぶような哲学者ではないことがわかる。それどころか、生きることの意味・人生について深く追求した哲学者であることがわかる。
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形式:文庫
NHKのラジオテキストがもとになっているだけあってたいへん読みやすい。無駄に難解な用語も言い回しも使われていない。禅に代表される抽象的で非論理的な東洋思想をなんとか理論化しようとした西田の生み出した哲学は、結局禅と同様難解なものになってしまったわけだが、これからわれわれがやらねばならないのは、これにさらにわけのわからないカタカナ用語を加えて近寄りがたくするのではなく、もっと噛み砕いて自分たちの血や肉にしていくことだろう。まさにこの本がやっているように。しかし、最後の環境問題への応用の議論は、残念ながら私にはかえって西田哲学の現実社会への応用の限界を感じさせるものだった。
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By しらま VINE™ メンバー
形式:文庫
「あなたは西田幾多郎を読むと良い。」高校生の頃、小論文の指導をして下さった国語教師にこう言われた。だが、どんな青臭いものをしたためたのかは覚えていないし、この言葉も当時はあまり気に止めていなかった。やがて浮き世に放り出され、理不尽な断絶が当たり前のような面を下げてそこかしこにそびえ立っているのに気づき、ほとほと気疲れしていたが、ふとしたきっかけで「一即多、多即一」という言葉を知り、今更ながら手にとってみた。

重厚で難解であろう原典を、丁寧に整理して見通しを立て、良い意味でくどくどしく平易な言葉で噛み砕き、西田本人の公私両面における苦悩と時代的背景、そして哲学史上の位置づけまで周到に示してくれる著者の仕事は圧巻である。 明治から昭和にかけての長期にわたる哲学的格闘は、根底の問題意識こそ一貫しているものの、微妙な視点の変遷を含むものであるらしい。初期の唯心論的な「純粋経験」の考察には独我論の匂いを感じて幻滅しかけたが、中期に至った行為と身体に関する考察は、現代のゲーム理論やアフォーダンスにも通ずるようで非常に興味深かった。

どこまでも弁証法一本槍だが、とにかく切れ味がいい。道徳のはるか彼方で神までも自己否定に至る後期の宗教的境地と世界思想はその極みだろう。世界と自己が不可分なものとして相互を限定しあい、相即的に相互を創造しあう。なるほど、表層的な理解では全体主義との謗りを免れないだろうし、そうでなくともスピリチュアルな恍惚を得るだけで終わってしまいかねない。扱いが難しい。偏狭な自己完結は愚直であり、安易な折衷主義は愚鈍である。実践を生きる中で、この哲学を体現できる精神の強さを求めたい。
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