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誘拐されたことがある男、荒廃した家庭に悩んだ男、孤児院で育った男、みんな幼・少年期に一生消えない傷を持っている。
それでも、人は大人になって、職業を持ち生きていかなけらばならない。うまく人間関係が築けなくても、魔性のゲイになっても、網膜はく離でチャンプの座を捨てなくてはならなくても。
いろいろな人の訪れるケーキ店で、彼らのは居場所を見つけ、明日も新作ケーキを作り続け、立て板に水で説明しつづけ、毎日全部のケーキの味見をしつづけるんだろう。
傷ついた過去が、消えることはなくても、今の仕事や仲間が生きるための力を与えてくれる。ストーリーをかさねていくことで、みごとにそんな気持ちを理解させる、みごとなストーリーテラーである。
ストーリーは題名通りの西洋骨董洋菓子店「アンティーク」を舞台に繰り広げられます。財閥の息子で何でも人並み以上にこなしてしまう男前(でもオヤジ)の「アンティーク」オーナー・橘、橘の元同級生で魔性のゲイである天才パティシエ・小野、元ボクサーの見習いパティシエ・エイジ、ギャルソンとして働く橘のお目付け役?の大ボケ・千影・・・この4人が中心。
よしながさんの描く男性ってどこか薄情そうな美貌のような気がするんですが、中味は皆温かい。この美しい4人の過去・そこから生れる葛藤などに、「アンティーク」へ訪れる人を絡めながら話が進んでいきます。
話は面白いし、橘のうんちく聞いてるとヨダレ出そうな程ケーキやパフェが食いたくなります。(特にミルキー味のパフェ・・・)※ダイエットしてる方には毒ですね。
いわゆるBL系の作家さんだとは他の作品を読むまで知らなかったので、誰にでも読みやすいかと思います。
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