古代ギリシアで使われた、神々の祝福の場面がかかれたクラテル(ワインを水で薄めるための壷)にはじまり、全く新しい陶磁技術で見るものを魅了したウェッジウッドの近代磁器まで、西洋の陶磁史を代表する計16の陶器について美しい写真と共に解説が加えられる。
陶器に詳しい人にとっては珍しくもない例なのかもしれないが、「入門」という題名からもわかるように、初めて陶磁の世界を垣間見る人にとっては、取り上げられた作品はどれも美しく、それにまつわるエピソードも非常に面白い。また、新書には珍しく、全ページがカラー印刷され、非常にクオリティの高い写真がたくさん引用されていて、見ているだけでも楽しくなる。新書にしてはやや高めの値段であるが、本書のクオリティを考えれば決して高くはない。
気分も新たに美術品をながめる…といった楽しみ方をせずとも、陶磁の美しさというのは素人でも十分楽しめる。たった16の代表例であるが、興味深い陶磁ばかりなので、本書を足がかりにすれば、西洋陶磁に対する興味は高まることと思う。