大哲学者列伝の下巻。下記の通り取り上げられている人物は今日の基準とは少しズレていて、今の著者ならばショーペンハウエルやスペンサーにわざわざ一章を割いたりはしないだろうし、クローチェやサンタヤナに至っては今の若い人達は名前さえ知らぬのではないだろうか(1976年に書かれた訳者あとがきにしても、現代の哲学の主流は実存哲学、と云う様なことを言っていて時代を感じさせる)。だが「こんな思想家には興味が無いから」などと言って食わず嫌いはしないで欲しい。試しに読み進めてみれば、きっとその叙述の奥深さに心を打たれる筈である。行間の端々から、それぞれの人間性を見詰める著者の温かい眼差し、自分の頭でじっくり熟成させた洞察が溢れて来て、読む者の共感を誘わずにはいられない。世界について考えると云うこと、その世界の中で人間が生きてゆくと云うこと、そうしたことについて腰を据えてしんみりと考え込んでみたくなったら、是非本書を手に取ってみることをお勧めする。
イマヌエル・カントとドイツ観念論
ショーペンハウエル
ハーバート・スペンサー
フリードリヒ・ニーチェ
現代ヨーロッパの哲学者 ベルクソン、クローチェ、ラッセル
現代アメリカの哲学者 サンタヤナ、ジェイムズ、デューイ