ギリシア・ローマ世界の代表的な史料のエッセンスとしてミケーネ文明からローマ帝国末期までをカバーしており、当時の代表的な史家は大体顔を出している。またそれにとどまらず碑文資料や当時の書簡など、普段日本語ではお目にかかれない史料も載せられており、その点でもたいへん興味深い。
この本は大学で教科書として使用する目的で書かれているので、当然の事だが資料の背景状況を知っていなければ楽しめないが、それも高校の教科書程度でよいだろう。それよりも、あの歴史家、この小説家がどのような史料を使って記述していたかが"ピン"と来る楽しさもある。
実用的な使い方としては、ギリシア、ラテン語の読解の問題を出されて、どう日本語に訳したものか悩んでいる学生や、聞きかじりの知識をもとに授業にケチをつける生意気な高校生をヘコませるたい先生等にお勧めできるだろう。
しかし何といっても、当時の人々の息遣いを感じる事ができる1次史料を、この値段で楽しめるのが何よりも貴重だ。