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西アフリカの教育を変えた日本発の技術協力 (地球選書)
 
 

西アフリカの教育を変えた日本発の技術協力 (地球選書) [単行本(ソフトカバー)]

原 雅裕
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

西アフリカの最貧国であり、教育水準も就学率56%と著しく低い国「ニジェール」。2004年、ニジェール政府はJICA支援の下、教育水準の向上を目的とした「みんなの学校プロジェクト」を始動。本書はこのプロジェクトにおいて、日本人チーフアドバイザーとして活動した著者の記録である。

内容(「BOOK」データベースより)

めぼしい天然資源もなく、開発の遅れた国にとって、頼れるものは「人」しかない。教育環境の整備と就学率向上や授業の質の改善を目的とした国際社会への教育開発支援要請に応え、「地域住民の参加による学校運営」という新しいモデルを地域に根づかせたプロジェクトの長く険しい道のりを描く。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 192ページ
  • 出版社: ダイヤモンド社 (2011/4/8)
  • ISBN-10: 4478041296
  • ISBN-13: 978-4478041291
  • 発売日: 2011/4/8
  • 商品の寸法: 19.2 x 13 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
この書籍は、我々「先進国」が「発展途上国」と言われる国々に対して実施する開発援助のあり方、技術協力のあり方を問いただす。
世界最貧国と言われるニジェール(石油が取れる、日本には多少なじみのある国、ナイジェリアの北に位置する)。国民の半分以上が、読み書きができないと言われ、また、国土の3分の2がサハラ砂漠で埋め尽くされ、農作物の収穫も容易でなく、食糧飢饉が頻繁に起きる、そんな国である。ついでに言えば、宗教の影響からか、女性の社会進出も非常に遅れている。そんな国で、長年にわたってアフリカの開発支援に携わってきた筆者が、我々の「常識」を覆すようなプロジェクトを開始した。
貧しいながらも親や地域住民が金銭や労働力を提供して、子供たちのために学習環境を改善する取り組みを支援するプロジェクトがあるという。そんなことありえない、半信半疑で読み始めたが、読むうちに何となく納得がいった。貧しくとも、なんとか子供たちに教育を受けさせたいと切に願う親の思いは万国共通である。その思いをいかにしてくみ取り、形にするか、筆者は考え続けたに違いない。その結果生まれたのがこのプロジェクトである。
公式には「教育」のプロジェクトである。プロジェクトが尊重する「住民参画」「情報の透明性、決定プロセスの透明性」は、民主的社会の前提条件とも言え、もはや教育の枠を超えたプロジェクトではないだろうか。
「漁師に取った魚を与えるのではなく、網を与え、魚の取り方を教えろ」そんな一文を聞いたことがある。そう、人々が本当に必要なのは、助けを待たずとも、自分たちだけで問題を解決できる能力である。
開発援助関係者だけでなく、アフリカに関心がある人にもぜひ読んでいただきたい、お勧めの1冊である。
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
アフリカに興味がある人、開発や国際協力に関心のある人はもちろん、
アフリカに特別な思いがない人にもおすすめします!
いつかどこかで国際協力を体験したいと考えている人には、ぜひご一読いただきたい内容です。

筆者は、西アフリカの「みんなの学校プロジェクト」のチーフアドバイザーとして
第一線から本プロジェクトに携わった方だそうです。
事実の記録ではありますが、淡々としたレポートではなく、
ひとつの成果を出すことがでるまでの苦悩やドラマが描かれていると思います。

論文形式ではないので、専門用語や特別な基礎知識がなくとも理解出来るように書かれています。
なじみのない現地通貨については、日本円換算でどのくらいの価値か、
計算の根拠も明確に説明されていてイメージが掴みやすいのではないでしょうか。
ニジェールがどこにあるか、ニジェールがどこにあるか知らない人も多いと思います。
数少ないニュースやメディアの情報で、世界の中でも最貧国のひとつ、ぐらいのイメージしか持って
いないかもしれません。
なぜ、ニジェールで「みんなの学校プロジェクト」が発足したのか、
どのように目的達成できたのかという記録であるばかりでなく、
JICAの活動や国際協力に携わる人達の様々な立場や活動のありかた、
他の国際機関やNGOとの関わりを理解するのにも、具体的な事例を通して
非常に分かりやすく書かれていると思います。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
そもそもこの「みんなの学校プロジェクト」の胆となる「学校運営委員会(COGES)」を形成してのコミュニティによる教育開発への取り組みといったアプローチは、アメリカなどでは普通に行われているシステム。日本のように教育委員会が行政機関の一部として住民との距離がある一方、次第に変わってきているとは言えPTAも役員になる親たちは比較的時間を自由に管理できる自営業の人と集まり好きな人たち以外は皆しょうがなく順番で義務的にやって形式的な会合の色が強く残っている我々にとっては、住民が選挙で委員を選び積極的に運営に関わる「学校運営委員会」というもの自体新鮮で画期的なものと映りがちである。ただ海外ではかなり普及しているシステムである。ではこのプロジェクトで何がすごかったかと言うと、教育でも何でも何か生活を良くするには海外からの援助に頼りがちなアフリカの最貧国の一つの地で、未だ民主主義もあまり定着していない国のしかも地方の村レベルで、こうした委員を選挙で自ら選び、住民が積極的に教育の普及に取り組むよう行動変容に成功したことであり、そうした一見見下されがちなアフリカの地方の人々の潜在能力を信じ、支えたそうした献身姿勢ときめ細かなサポートがすごいのである。本書のなかでも触れられているように、世銀や他の援助機関のように「学校運営委員会」を中心に教育開発を進めるという方針にするまでは比較的容易にできる。しかし実際に住民が主体となり積極的に動いて行くように支援していくということはとてつもなく難しいことであり、日本人にしかなかなかできない支援であろう。
開発援助に関心のある学生、あるいはこの世界に入ってまだ駆け出しの方にとっては非常に参考になる日本の技術協力プロジェクトの好例として是非とも学んでもらいたい。

一方で、既にこの世界に深く関わって来ている日本の外務省やJICA関係者の方々には、技術協力プロジェクトの有効性を確認するだけに終わらせず、改めてプロジェクトの限界というものを考える機会にしてもらいたい。本書の中でも触れられているように、当プロジェクトのようにこれだけ成功したプロジェクトでも、世銀等他ドナーの協力と援助受け入れ国政府のコミットメントなしでは全国規模への展開も不可能で、自立発展性が担保されずに潰えていた可能性も高い。つまりせっかくの日本の投資もプロジェクト終了後には無駄になってしまう危険性をプロジェクトは常にはらんでいることを再認識してもらいたい(実際そうして立ち消えていったプロジェクトがこれまでいくつもあったはず)。
また、「学校運営委員会」やモニタリング機関となる「COGES連合」といった体制を支える住民の資源投入も、必ずしも持続発展性が担保されているわけではない。したがってそうした住民の収入創出を支援する経済開発支援あるいは農村開発支援であったり、住民の社会福祉や保健開発支援であったり、教育以外のさまざまなセクターの要素を織り交ぜたコミュニティ総合開発の視点による支援といったこれまでの個別プロジェクトの枠を超えた国際協力といったものも考えていくというのが近年の援助の潮流であることを改めて認識してもらえれば、今後日本の国際協力、援助外交も進歩が期待できるだろう。
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