ケッチャムの問題作、どんな出来かとややハラハラしながら見ましたが、うーん、やや予想が当たってしまったようです。
原作が原作なので、映像化が困難なのは予想はしていましたが、ケッチャム自身の脚本ということもあり、やはり見ないと気が済みません(笑)
この作品の前編であるオフシーズンのほうが、導入部分がしっかりしているので、原作を読んでいない人にもわかりやすく、映画化しやすいと思います。
こちらの襲撃者の夜は、後半の洞窟での攻防が主体になっていて、物語性が弱い。そうなると当然、こういうエグイやり取りは脳内でイメージするほうが理想的な絵が作れるので、作り物の実写の絵が脳内イメージに勝てるわけがない、という結果になってしまいます。
これはスティーブン・キング原作の映画でさんざん味わっていることなのですが、それでもやっぱり見てしまいます。
オフシーズンも映画化が進んでいるようですが、パート2はいつもケチョンケチョンにけなされる運命なので、こちらが先に公開の運びになったのでしょうか。お陰で、クライモリのバチモンのようになってしまいました・・・
登場人物も、悪魔のいけにえのレザーフェイスほどにキャラが立っているわけでもないので、原作の迫力が伝わらないと、ナンとも中途半端な出来栄えです。
原作の洞窟内の攻防は、不気味な静けさと激しい攻防のメリハリがきいており、そこに警官隊も絡んできて、かなり心理戦的な要素があるので長い分量を割いてあります。でもこれでは、単にグロくてキャーキャー言っているだけです。
せっかくの類を見ない傑作ホラーなのに、もったいないです。
それと、商品の内容紹介に「実話を元に書かれた食人族と都会の人間との戦いの話」とありますが、オフシーズンにも襲撃者の夜にも、どこにも実話ということは書いてありません。むしろ、作者の創作力を絶賛してあります。
オフシーズンじたい、さんざん作者の意に添わないカットや改変を繰り返して、やっと出版の運びとなった作品と聞いています。もし実話か、或いは実話がモチーフになったものであれば、こういうエピソードの中で、たぶんそういう情報は出てくると思うのですが、そのあたりはどうなのでしょう。
もしかしたら、実話が元というのは、「隣の家の少女」と混同されているのではないか、とも思います。
ともあれ、オフシーズンに期待したいです。