メタローグ
これは西欧人の「陰翳礼賛」なのではないだろうか? ライプニッツの思想を手がかりにドゥルーズは、プラトン=デカルトの均質的な時空モデルを退け、無限に折り畳まれていく<襞>を基調とした世界観を提出する。布や紙が一枚でありながら折り目をつけられることで様様な表情を宿していくように、世界は連続性を失わないまま矛盾し合う無数の力の場を抱え込んで「歪んだ真珠」(=「バロック」の原意)のように妖しく輝く。全てを平準化しようとするモダンの光を遮るネオ・バロックの<襞>。晩年のドゥルーズの、奔放な主体性の回復に対するほとんど生理的な欲求に感じ入ってしまう感動的な一冊だ。(守屋淳)
『ことし読む本いち押しガイド1999』 Copyright© メタローグ. All rights reserved.
内容(「BOOK」データベースより)
『分裂』から『調和』へ、あらゆる生命をつらぬく『襞』の運動。一と多、生と死、人工と自然をつなぐ新たな交通の方法(マニエリスム)。ドゥルーズ思想の到達点。