認知科学者・ノーマンの最新著作。「誰のためのデザイン?」から続くシリーズともいえる。
これまでどちらかというとノーマン本では、シンプルであれ、というのが信条になっていたかと思うが、本書では多少ニュアンスが違っていると思う。世の中が複雑であることは必然で、モノのデザインもそれにあわせて複雑になる事自体は不可避であって、その前提でもってじゃあどうすればよいか、といった観点になっている気がする。
中身ですが、例によって実例を多数上げてのロジック展開になっていて、読んでいてとても理解しやすい。「アフォーダンス」の再定義も興味深いが、待ち行列の考察にまるまる一章をあてているのも変わっている。ほとんどシステムデザイン、中でも社会システムデザインの域に達している。
ノーマンばりでもないが、昔のデザイン論はシンプルだったなあ、とも思います。まあでも、少なくともノーマン本を読みつづけているのならば、これも読むべき、でしょう。