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ベンヤミンはここで、二つの芸術的な価値を基準にして論を展開している。一つは、礼拝的価値であり、もう一方は展示的価値である。
礼拝的価値とは、芸術作品をアウラとの結びつきの?さを中心にしたものである。それは、いわば古代において「魔法の道具」として崇められた絶対的存在を感じさせる人工物(たとえば、想像上の神をかたどった石や粘土など)、今でもオリジナルかコピーかでずいぶんその価値や値段に差が出る美術作品などが代表的な例である。
一方で、展示的価値を論ずる場合、アウラとの結びつきの強さは問題とならない。複製技術の発達は、芸術作品をさまざまな文脈で展示、所有することを可能にした。同時に、複製技術は芸術作品の礼拝的価値の基盤であったアウラの基盤を作品からはぎ取る(ウォーホールなどのポップ・アートを考えればわかりやすい)。
つまり、複製技術の発達により、礼拝的価値が相対的に社会の中で低下し、一方で展示的価値が増大しているという状況をベンヤミンは分析したのである。
オリジナルとコピーとの関係は、今日のデジタル社会において、さらに複雑になってきている。まだまだそれがシンプルだった時代に書かれた内容だが、現代にも通じる問題意識と鋭い考察が随所にちりばめられている。
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