イノベーションがなければ生き残れないというのは、グローバル化した経済ではもはや強迫観念のようなものになっている。しかし、イノベーションをどうやって産み出して、製品化、事業化に結びつけるのか、企業人としては迷うところが多い。
本書では製品開発から事業化、ライフサイクル後期での慎重な経営までを8編の論文で網羅しようとしている。
イノベーションとは、既存の知を結合して新たな有用性を生み出すことである。しかもそれが顧客にとって魅力的な価格で、かつ企業は収益が上がるコスト構造も必要とする。ならば既存の知を仲介するような人材や環境が必要であろうし、社内でイノベーションが生まれなければ社外と協業する(自由貿易に例えている)ことが考えられる。
製品化の過程でも社外と組むことや顧客をR&Dに巻き込んでリスクを減らすことも重要である。
また、破壊的イノベーションが現れたら、
イノベーションのジレンマに陥らないよう十分注意し、ライフサイクルの後期の製品に無駄な投資をしないように注意しなければならない。
バラバラの論文を注意深く集めて、製品開発から事業収束までのヒントを盛り込んだ一冊である。