狩猟民(どこの狩猟民かは書かれていない)にとって、「裸」というのは皮を剥ぎ取られた獲物のことをさしていたという。ヒトの場合は「何一つ飾りの付いていない体」をさしたそうだ。
というわけで、この中に紹介される様々な部族についても、身体装飾について詳しく書かれている。身体装飾にも種類がある。様々な自然のものから絵の具をつくって体に塗る、身体自体に傷を付けて瘢痕にして装飾にする、貝殻や石などでつくられた飾りをつけるなど。また、一部衣服を身につけている場合もある。世界各地の事例を写真、図、地図などを使って説明してくれているので理解しやすい。
「体毛の喪失」というところからも、著者は話を広げていく。途中、氷河時代に遭遇した人類がいかにして生き延びたか、現実に存在する部族の例も挙げられている。西欧社会と彼らの遭遇は、植民地化の時代に著しく進んだ。西欧人から見れば、裸体のままでいる彼らはどう見えたか。そのことについても書かれている。
新書でこれだけ詳しい本にはなかなかお目にかかれないと思う。