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デヴィッド・クローネンバーグ監督がウィリアム・S・バロウズの原作をもとに映画化した作品。怪しげな登場人物にグロテスクなクリーチャー。しゃべるビッグ・サイズの昆虫に、ジェームズ・ウッズの神経症的な表情。
鑑賞者の神経を刺激するビジュアルメイクに関しては確信犯のクローネンバーグ監督だが、本作での悪趣味ぶりはバロウズという後見人を得たことでいつもより三割増。
1953年のニューヨーク。害虫駆除業者ウィリアム・リー(ジェームズ・ウッズ)は妻の頭上に乗せたグラスを銃で撃ち落とす「ウィリアム・テルごっこ」で、誤って妻を射殺してしまう。麻薬の力に導かれ「インターゾーン」へと逃げ込んだリー。そこには多用な国籍の奇怪な人々がうごめき、巨大な麻薬工場が営まれていた…と、ストーリーを書いてもイメージこそ湧くものの、物語としての体裁はないに等しく、明らかに原作者のバロウズをイメージした主人公の不思議な体験をじっと眺めていくしかないだろう。ただしハワード・ショアの音楽がこの悪夢のような映像に心地よさを加味しており、オーネット・コールマンのサックスに恍惚としているうちに、クローネンバーグの術中にハマってしまうので御用心。難解な作品ではないが、観客を選ぶ作品と心得られたし。(斉藤守彦)
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
ウィリアム・バロウズの原作小説をクローネンバーグが大胆に脚色して映画化。害虫駆除剤を麻薬として使っていた男・ウィリアムは、ある日、麻薬捜査官に連行、彼はスパイ活動を命令される。『ニュー・エイジ』のP・ウェラーとJ・デイヴィス共演作。