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補陀落渡海記 井上靖短篇名作集 (講談社文芸文庫)
 
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補陀落渡海記 井上靖短篇名作集 (講談社文芸文庫) [文庫]

井上 靖 , 曾根 博義
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

熊野補陀落寺の代々の住職には、61歳の11月に観音浄土をめざし生きながら海に出て往生を願う渡海上人の慣わしがあった。周囲から追い詰められ、逃れられない。時を俟つ老いた住職金光坊の、死に向う恐怖と葛藤を記す表題作のほか「小磐梯」「グウドル氏の手套」「姨捨」「道」など、旺盛で多彩な創作活動を続けた著者が常に核としていた散文詩に隣接する人生の不可思議さ、奥深さを描く9篇。

内容(「BOOK」データベースより)

熊野補陀落寺の代々の住職には、六十一歳の十一月に観音浄土をめざし生きながら海に出て往生を願う渡海上人の慣わしがあった。周囲から追い詰められ、逃れられない時を俟つ老いた住職金光坊の、死に向う恐怖と葛藤を記す表題作のほか「小磐梯」「グウドル氏の手套」「姨捨」「道」など、旺盛で多彩な創作活動を続けた著者が常に核としていた散文詩に隣接する人生の不可思議さ、奥深さを描く九篇。

登録情報

  • 文庫: 320ページ
  • 出版社: 講談社 (2000/11/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4061982346
  • ISBN-13: 978-4061982345
  • 発売日: 2000/11/10
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 枯淡の境地, 2002/3/23
レビュー対象商品: 補陀落渡海記 井上靖短篇名作集 (講談社文芸文庫) (文庫)
中年以降の潔く生きたい人へのお休み処のような1冊です。
回顧はしてもそこに過去には気付かなかった新鮮な視点が
全篇随所に置かれていて、加齢に対し後ろ向きにならず、
賢明に生きていく指針が示されているような1冊。
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5つ星のうち 5.0 普遍的テーマと技巧が融合した芸術。, 2012/2/17
レビュー対象商品: 補陀落渡海記 井上靖短篇名作集 (講談社文芸文庫) (文庫)
ビブリオバトル@紀伊国屋新宿南店で紹介されていて興味を持った本。

・南方の浄土「補陀落」へ渡るため、無人の船内の箱に閉じ込められたまま南方に流される
(つまり死を意味する)捨身行を目の前にして生に執着する僧侶を描いた表題作「補陀落渡海記」
・姨捨山の棄老伝説について「私は悦んで捨てられる」と言う母とその家族を描く「姨捨」

など9編からなる短篇集です。

上の2編も含めて、「死」とそれを取り巻く人間がテーマのものが多いですが、
決して暗いものではなく、むしろ「死の周りで『生きる』人間」が中心になっているように私には読めました。

私はそのテーマの普遍性もさることながら、やはり何より文豪の書きまわしに感嘆しました。
一篇一篇は2,3行でまとめられてしまうくらいの非常にシンプルなあらすじなのですが、

・何気ない日常を誇張せず、しかしそこでの心情の動きを丹念に決して飽きないように書かれ、
・ショッキングな出来事を逆に淡々と描くことで、文章を陳腐にすることなくうっすらとした怖さを感じ
・最後に一瞬ドキッ(もしくはキュン)とさせられる

などなど、
文豪の単なるテクニックの域を越えた芸術的な筆さばきをクリアに繰り返し味わえるのは、
短篇集ならではだと思います。
「純文学も読みたいけど長篇はちょっとキツい・・・」という方にもオススメです。

人生経験を積むごとに新しい発見があるであろう、深みのある短篇集です。
何年か後に、もう一度開いてみたいと思います。
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