本書の要点は以下の通りです。
(1)日銀が低金利で資金をジャブジャブ提供しても、現在のようなグローバル経済の下では資金は儲かるところ、つまり海外の資源や新興国への投資へと流れてゆき、自国のデフレ改善には役立たない。
(2)それどころかこれらの潤沢な資金提供は資源高、商品インフレを引き起こし、日本はその悪影響だけをこれからもろに食らうことになる。
(3)アメリカの金融機関の大損は会計基準の都合のいい変更によって隠蔽されているだけ。
(4)人口が減少する一方で天文学的な借金を抱えている日本はいずれ国債を消化できなくなり破綻する。海外のヘッジファンドはすでにその機を待ちかまえている。現在は国内の金融機関が通常の貸出で儲けることが難しくなっているので消去法的に国債を買い続けているだけ。
(5)株式市場は資金量の大きさが勝敗を決する世界であり、ロボット・トレーディングや先物取引を利用した恣意的な操作の効く金持ちの草刈り場と化している。
第四章のフィクションでは郵貯の再国営化から株高の演出という迫真のシナリオが語られていて、他に打つ手もなさそうな民主党政権がこれを実際にやるかどうか非常に興味深いところです。