本書は、ずばり若手社員向けの本である。
肩書や権限がなくとも、簡単に会社を動かすことができる方法があるなんて、日頃会社や仕事に何かしら不満を抱いている若手社員にとっては、にわかには信じ難い話であろう。
本書によると答えは簡単。他人が面倒でやりたがらない「雪かき」のような地味な仕事を黙ってやるだけだという。著者はそれを「事務局力」と呼び、その実践と効果について詳しく解説している。ちなみに、著者は、国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの主幹研究員で、イノベーション行動科学の第一人者。社員の行動パターンの分析も興味深い。
言い換えれば、本書は若手社員に発想の転換を迫る画期的な本である。できれば、今の会社は面白くないから転職したいと考えている人や、自分の仕事は正当に評価されていないと不満を持っている人に読んでもらいたい。もちろん、褒めないと動いてくれない部下に疲れ果てている人や、気の利かない部下に愛想をつかせている人にもお奨めである。