内容は,かの有名な,日本の経済システムと証券界の体質をものの見事に示した,野村による総会屋への利益供与,さらにはVIP口座。野村の暗部の実態から証券界のドンといわれていた野村最高幹部たちの退陣,そして逮捕へと進む一大経済スキャンダルの全容である。しかも,この巨大経済事件のきっかけとなった告発がこの著者であり,自身も大きな権力闘争の中で,訴えられ逮捕,監獄暮らしも経験していることからも単純な告発本でないことは容易に分かる。巻末の「証券界の内部」は,これから証券界を目指す学生にはぜひ読んでおいてもらいたい。 (ブックレビュー社)
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著者が「告発は野村の今後のために。」と正当化している点には同感できる。ただ、日本の金融界は、銀行証券保険を問わず、暗黒界とのつながりはあるのであって、とくに銀行は(興銀やUFJの一部の例外はあるが)それにより生じた不良債権の責任を問い詰められずに逃げ切っている。野村の対暴力団利益供与に対する制裁は、他業者との比較で特に(見せしめ的に)厳しかった、という印象を評者は持っている。
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