この作品は他の作品に引けを取らず、AT同士のバトルも展開されるが、演出や作画クオリティは他に比べればむしろ低い。それよりキリコの人間に焦点を当てた作品と言える。そういう意味でATバトルが見たい場合は、他の作品がオススメ。
ボトムズの世界設定はTV放映当時より詳細が発表されて、さまざまなスピンオフを発生させてきたが、最近はキリコを主人公とした物語が多い。これもキリコ主人公の作品。
PSの寿命が2年という設定において、フィアナの寿命がキリコより短い以上は、キリコの物語を続ける場合にTVシリーズ以後を想定するならば…フィアナとの決別が必須になる。つまりはTVの最終回が、観客に続編を希望させたかしなかったかで、この作品は賛否は分かれるだろう。
私はTVの終わらせ方に続きが必要だとは思わないが、しかし、キリコとフィアナの愛の結末としては、この作品は佳作と呼べるのではないか。
キリコは死なない(ワイズマンがいない今回でも、優れた運動神経に、並外れた体力と回復力、それに運がいい、ことに変わりない)という設定だけでなく、何故か悪意なく関わった者は老若男女関係なくこの無愛想な男に惚れてしまう設定(体質)である。今回はゴディバというキャラクターがこの役だが(キリコ並に不死身。ガンダム0083のモンシア中尉ではない。)、上手くキリコとフィアナの狂言回しもこなしてくれる。
結局はキリコというキャラクターの渋さに観客が波長が合うなら良作で、そうでないなら駄作というぎりぎりの作品ではある。
私は前者。やはりボトムズ=キリコはかっこいい。そういう意味でも、この作品はキリコの最後の言葉「俺は道を急いでいる。俺に構わないでくれ」がぐっとくる。そして、続きも期待してしまう。
疑問点はなぜ、TVシリーズより32年後という設定なのか?だ。ATはまったく進化せず、PSはターミネーター並みに進化している。その理由がATを超える人間ということなのだが、必要性は語られていない…。ならばなぜ、適当に扱える2〜3年後という世界設定ではなかったのか。32年という時間軸を公式設定することで、過去に映像化や小説化された、次世代機だったブラッドサッカーやテスタロッサを無効化またはパラレル化しているように感じるが、それがひとつの理由なら大人の事情なのだろうか…。スコタコ(という商品)でまだまだやれるというわけだろうか(まあ、ボトムズの顧客はガンダムと違って高齢ではあるし、当時の作風を求める世代ではある)。32年後なら、バニラやココナやシャッコも健在だろうから、何かと便利だし…。
予断だが…ボトムズという作品は過去にメロウリンク(OVA)や青の騎士(小説)というように、世界設定を同じにする作品が生まれて、ATのデザインも多様。しかしキリコ主人公型の作品が昨今は多く、ATのデザインもほとんど当時と変わりない。
それはそれで良いのだが、むしろガンダムなどよりスピンオフしやすい作品だと思うだが…。
ボトムズという作品は、珍しくバ●ダイ、タカラ●ミー、や●と、などのスポンサードが覇権を制するがごとく、おもちゃ化戦争の激しい作品である。しかも、すべてのメーカーが非常に個性的且つクオリティも高い。このあたりの関係性と市場が絡む作品ではあるのは明確で、これが予算編成にも絡んでいるのだろうか。
ならばむしろ、まだまだ各社さん、商品シリーズ化の打ち止めを打破してスコタコ路線と戦略でシリーズを頑張ってもらいたい。単発の商品で終わらせないでいただきたい。
ボトムズって複数形なんだから。集めたくなるのがユーザーです。
個人的には、この作品のバーグラリードッグや他作品の新作をも商品化したタカラさんのAGネクスト!まだまだ期待しています。そして、キリコの物語が続くことを願っています。