キリコ・キュービィの「自分探しの旅」ともいえるボトムズのTVアニメ版のストーリーも本書をもって完結となります(キリコの物語はTV放送終了から10年経ってから出されたOVA「赫奕たる異端」という形で続きますが)。
本書では物語の舞台となるアストラギウス銀河に遥か太古に栄えた超古代文明の発祥の地“惑星クエント”を中心に、“異能者”であるキリコと銀河の歴史を3000年近くにわたって裏から操っていた神“ワイズマン”との接触を描いています。
ウド、クメン、サンサ、そしてクエントと物語は場所を変えながら展開していたわけですが、個人的にはこのクエント編は今までよりもスケールが大きくて結構面白かったです。映像で見た時の印象がよみがえって来た感じでした。何せキリコを巡ってギルガメス、バララントというついこないだまで100年間も銀河大戦をやっていた陣営が統一戦線を結んでしまうほどですから。また惑星クエントに残る超古代文明の遺産やクエント人の描写も興味深かったです。
最後に星4つにした理由は、これは全4巻通しての事ですが、脚本のノベライズ化以上のものにしか感じられなかったからです。しかしながら読むごとに映像が浮かび上がってきて、「ああ、この場面ではこんな事が起こっていたなぁ」と思い出しながら読む事ができました。こういった点では評価する事ができると思います。
ボトムズワールドは、場面設定やガジェットに結構面白いものがあると思いますので、もし将来こうした小説作品が出るのならば個々の場面をもっと掘り下げた内容のものを期待しています。今では入手困難な「ザ・ラストレッドショルダー」や「ザ・ファーストレッドショルダー」のように。