暇つぶしの読み物としては面白い。
裁判の傍聴は国民の権利であるとしても、実際の裁判をナマで見たことがある人などあまりいないのではないか。
せいぜい法学部の学生か、加害者・被害者の親族・友人くらいで大抵の人はニュースで流れる裁判のかいつまんだ様子を知るだけにとどまっていると思う。
だからこそ、「野次馬的な」作者の視点は一般人の視点と被るものがあり面白い。
裁判の見方も当初は素人丸出しで、自分が裁判を傍聴したとしてもきっとこうなるだろうな、と共感できる部分も多い。
だが「野次馬的」だからこそ、不快になる表現もある。
裁判中の人にとって、それは作り物ではなく現実なのだ。
大変な現実に直面している人たちを野次馬根性で観る。
それはどうなの?と思ってしまう人にはオススメできない。
しかしネットのニュース記事の社会面のランキング上位にくるのは「痴漢」「わいせつ」「殺人」などといった、読む側の人間が野次馬根性丸出しであることがよくわかる内容の記事ばかりである。
この作者はその野次馬根性を正直に告白しているわけで、それもまた一般人の代表的な感情であると思う。
作者ばかりを非難できない。