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裁判と社会―司法の「常識」再考 (日本の“現代”)
 
 

裁判と社会―司法の「常識」再考 (日本の“現代”) [単行本]

ダニエル・H. フット , Daniel H. Foote , 溜箭 将之
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,520 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

日本人は訴訟嫌い?日本の裁判官は消極的?日本の司法は政治的?アメリカ人の東大教授が誤解だらけの日本人論を脱神話化。

内容(「MARC」データベースより)

日本人は訴訟嫌い? 果たしてそれは本当なのか。最近の司法制度改革の動きも踏まえつつ、海外との比較を交え、ケーススタディをもとに日本の司法の常識を再検討。アメリカ人の東大教授が誤解だらけの日本人論を脱神話化する。

登録情報

  • 単行本: 328ページ
  • 出版社: NTT出版 (2006/10)
  • ISBN-10: 4757140959
  • ISBN-13: 978-4757140950
  • 発売日: 2006/10
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.2 x 0.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
 「日本人は訴訟が大嫌い(だけどアメリカ人は躊躇しない)」「日本の裁判所は政策行動をしない(だがアメリカの裁判所は積極的に政策に口を出す)」−あたりまえとなった感のあるこの2つの「常識」に異議申立するのが本書です。

 例えば、交通事故に基づく訴訟提起。アメリカと比べて日本は圧倒的にその数が少ないのですが、著者はその原因として、日本では損害賠償額や過失相殺割合について事細かに定例化されており「相談センター」や書籍等を通じて誰でもアクセス可能なので、訴訟を起こす必要性がないことに求めます。「文化」という曖昧で包含的な概念で「違い」を説明してしまうと、制度や規範といったその他の社会的概念での説明を忘却してしまうことに気づかされる点重要です。

 また、後半では日本の裁判所の規範・政策形成への積極性が豊富な事例とともに論じられていきます。再び、交通事故の事例に戻ると、先述の定例化は実は行政や立法ではなく、司法、それも下級裁たる東京地裁の交通専門部(民事第27部)が主導権をもって意欲的に進められたことが明らかにされます。他方、アメリカでは「事例の個別性」を尊重するコモンローの伝統からこのような定例化は進みませんでした。

 本書を読了した後に浮かび上がってくる日本の裁判官像は「勤勉・有能で取扱の統一性・公平性を保つためには自律的に働くことを厭わない」と言ったところでしょうか。基準の一律適用の結果、確かに被害者の性別によって損害賠償額に思わぬ差が生じるなどの不都合が生じています。しかし、定例化に向けた裁判官達の努力により事故処理の迅速化が図られ全般として公衆の利益増大につながっていることに、著者は好意的です。
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By 清高
形式:単行本
全体の内容としては、日本とアメリカ合衆国の法律や法意識がよく似ているということを明らかにした本(もちろん、相違点も書いてあるので、ご安心を)。

日本的法意識の原因が(たとえば、裁判嫌い)、日本の文化というよりは、合理的選択や制度的要因だったり(第1部)、裁判所が積極的に政策を形成していたり(第2部)と、目からウロコの(気がつきにくい)、かつ説得力のある議論の展開がなされており、日本、ならびにアメリカの法を知るのに有益な本なので、星5つ。法律を勉強している方のみならず、日本の「現代」を知りたい(シリーズもの)と思う人(つまり、法律を専門的に勉強していない方)にも面白い書物だと思う。
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By 若村さき トップ500レビュアー
形式:単行本|Amazonが確認した購入
民法学、法社会学の大家川島武宜さんの『日本の法意識』(岩波新書)は名著の誉れ高く、新書の中でもベストセラーの1つとなっています。
川島さんは、欧米とは異なる日本人の訴訟行動、契約行動などを、日本独特の「文化」によって説明します。大雑把にいってしまえば、近代的、個人主義的な欧米の法制度を取り入れてはいるものの、日本人の意識は未だ近代化されておらず、それが法律行為や法意識に表れていると断じました。
それに対して、本書の著者、東大教授であるフックさんは、「日本が非常に特殊で特有のものだとする固定観念―これを私は「常識」と呼んだ―について論じる際には、日本と比較対象となる国それぞれに関する事実関係を注意深く調べなければならない。(中略)この国同士の差異が文化(略)に由来するものだと直ちに決めつけるべきではない」(61頁)と注意を促します。
 たとえば、川島さんは、日本人は権利意識に乏しく、訴訟嫌いだから、結果として訴訟の数が少ない、と論じましたが、フックさんは、「交通事故の事例に限っていえば、日本人による訴訟の少なさは、日本人の紛争嫌いの性格を反映しているというよりも、損害賠償を得るために訴訟を提起しなくても済む諸要因の存在を反映している」(66頁)と判断しています。
このように、主に日米の裁判を比較しながら、「日本独特」とされたり、「文化に起因する」とされたりしたことを再検討しています。
「常識」とされてきたことを客観的なデータや緻密な論証によって覆す。これこそ学者の仕事です。

『日本人の法意識』を読んだことのある人すべてに薦めます。
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