袴田事件に関心をもって調べているうちに、1993年に単行本が出されて2004年に文庫版になったという本書に行き着いた。再審請求を有効ならしめることを視野に置いて、供述と物的証拠との矛盾や、法廷での証人の証言が袴田有罪の論拠となりうるか否かなどを、細かく分析した本であるから、この事件にこれまであまり関心のなかった者がいきなり読むには、細かすぎるという難点がある。
とりあえず袴田事件について概要を知りたいという人に、第一冊目に読む本としてはお勧めできないが、こういう書物ももちろん必要であり、この事件を深く考えたい人にとっては基本文献と言ってよい。
「とりあえず」という人は、まず映画『BOX〜袴田事件〜命とは』のDVDを鑑賞し、それから『裁かれるのは我なり』と『袴田巌は無実だ』を読むとよいだろう。