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被爆のマリア (文春文庫)
 
 

被爆のマリア (文春文庫) [文庫]

田口 ランディ
5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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被爆のマリア (文春文庫) + ヒロシマ、ナガサキ、フクシマ: 原子力を受け入れた日本 (ちくまプリマー新書)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

ようやく結婚が決まった38歳の私に父が提案したのは、結婚式のキャンドルサービスに「原爆の火」を使うことだった。戦後60年を経てなお日本人の心を重く揺さぶる闇を被爆者ではない4つの視点から見つめ、「実在しない片仮名のヒロシマ」ではなく「正真正銘の広島」にたどり着こうとする、著者渾身の問題作。

内容(「MARC」データベースより)

無原罪のマリア像が見つめる現代の闇。マリアさま、人の目は武器です…。表題作のほか、「永遠の火」「時の川」「イワガミ」の3編を収録した、「60年後の原爆」をめぐる著者渾身の問題作。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 243ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2009/7/10)
  • ISBN-10: 4167753901
  • ISBN-13: 978-4167753900
  • 発売日: 2009/7/10
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 0.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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15 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By noheji
形式:単行本
被爆を当事者の問題とだけ考えてしまう人にとって、
「何も残らない」小説集だ。
そういう人は、本書をなんて失礼な本だろうと思うかも。
「当事者の問題とだけ考える」人とは、
被爆した人々の心情や心理とか、
彼ら(彼女ら)が今何を考えているかとか、
被爆者を先祖や身内に持つ人々はどう思っているかとか、
つまり、被爆者や関係者の心理や論理に焦点を当てた物語を読みたいと欲する人のことだ。
そういうのを欲する人は「夕凪の街/桜の国」でも読んで下さい。

田口ランディは社会や歴史、あるいは精神のリレーについて考えている。
心が(せめて自分なりの確固とした考えが)ないのに、
「平和について考えてる」なんていう体裁をとりつくろってよいものかどうか(一話目)。一人の女性の摸索の記録である。
重大事件の被害者や薬害エイズの被害者たちなどの彼ら(彼女ら)の堂々とした態度や前向きな発言に、事柄への理解や共感よりも速く、「自分はあんな風にはなれない」とか、「ひょっとして彼ら(彼女ら)のダメージはそれほどではなかったのではないか。自分が生きていることのほうがよっぽどシンドイ。なぜなら彼らのように心を奮い立たせることもできないから」という風に考えてしまうことは、よくあることだ(2話目)。21世紀初頭を生きるシンドさにほとほと参っている中学生と、被爆者との交流とディスコミュニケーション。
 他も、こんな調子で「原爆体験」は、現代のどんな問題と補助線を結びうるのかを考える内容なのだ。
「面白い」とか「感動した」とか「心揺さぶられる」とは縁遠いが、
確かに思考を刺激する作品だ。

 

このレビューは参考になりましたか?
8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 茶姫
形式:単行本
田口ランディが痛みと違和を感じて追いかけた原爆。広島。
それが4つの作品となって公にされた。
60年間、膨大な人が被害を受け国際的な問題に
作家として5年生の彼女が触れて、言葉にする。
それってすごい勇気だ、と思う。

どの作品も原爆・広島と今を繋げていて
とても好きなのだが、
一番重く、一番意味が感じられたのが
表題作の「被爆のマリア」だ。

この作品に原爆の事実はほとんど出てこない。
平和の中でも救いの少ない暮らしを送る主人公、
彼女の心の支えが長崎で被爆したマリア像というのみ。
爽やかな落ちもない、暗澹とした物語。
一瞬「???」と頭が混乱した。

けれど…過去の大きな痛みを知ったら
現代に立ち返るしか、ないではないか。
知っている痛みに戻るしか。
だって、生きているのは今なんだから。

原爆という想像を絶する痛みに、
あらん限りの想像で近づき、
原爆を知らない現代の痛みに着地したこの作品。

この作品で、作者が叩いた痛みへのドアは開いたばかりに思う。
その先には… 人間が人間であることに続いているんじゃないだろうか。
このレビューは参考になりましたか?
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
■<原爆>という題材を通して、戦後60年を経た今の時代の痛みに迫ろうとする短編集。

原爆小説といっても、原爆の悲惨さが直接描かれているわけではありません。

まるでサブリミナル効果のように、

あの忌まわしい原子雲による悲惨な光景が、時折読み手の意識の中に甦ってきます。

もちろんかく言う私も戦後生まれ。実際に原子爆弾も、戦争も知らない世代の一人ですが・・・。

■「イワガミ」のある場面で、

「どうして広島を書こうと思ったのですか」と問われて女性作家が立ちすくむところがありますが、

まさしく著者自身の正直な気持ちを表しているのでしょうか。

 また原爆で家族全員を亡くした人のこんな言葉が心に強く残りました。

 「もし自分が原爆を作れたら、

  それを背負ってアメリカに行って自爆テロしたいくらいですよ。

  広島に原爆を落とした奴らに、私の家族と同じ目に遭わせてやりたい。

  ・・・でもしません。」

 「なぜ人間は核を作るのですか? 

権力のため? いや好奇心のためです。

  なぜ人間は核を使うのですか? 

利益のため? いや平和のためです。」

とにかく戦後60年を経つつも、

9・11世界同時テロが起きてしまった“今”という時代状況を考えさせられる

なんとも不思議な「原爆小説」です。
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投稿日: 2006/8/20 投稿者: みどりん
田口ランディの新境地
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投稿日: 2006/8/14 投稿者: 風来坊
逃げちゃったな・・・
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投稿日: 2006/7/27 投稿者: naonao-703
日本人の根っこを探すシリーズ
... 続きを読む
投稿日: 2006/7/11 投稿者: くわもちじんぺい
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結婚式を直前にした花嫁や、修学旅行生の見た「60年前」のこと。... 続きを読む
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