内容紹介
妬み、気後れ、自己不全感…
日常的な感情がなぜ、被害妄想へと変貌を遂げるのか。
そのメカニズムを克明に描いた力動精神医学の名著。
フロイトとならぶ精神医学のパイオニア、ピエール・ジャネ。
19世紀末パリのサルペトリエール病院でシャルコーのもと、
ヒステリーや解離の心理学的治療に携わり、外傷性記憶、下意識などの重要概念を提唱した。
この力動精神医学の第一人者が晩年を捧げたのが、被害妄想の探究である。
被害妄想とは「他者が自分に危害を加えてくる」という妄想に苦しめられることである。
このような言葉による訴えに結実する以前に、
じつに多種多様な感情が患者たちの中に未分化なまま渦巻いていることにジャネは着目した。
妄想の背後にあり、妄想を駆動する感情の正体とはなにか。
どのような経緯をたどって感情が病的な症状となり、やがて妄想として表出するに至るのか。
ジャネは豊富な臨床例をもとに、諸感情の様態を精緻に腑分けしていく。
妬みや気後れ、自己不全感など、被害妄想のもとになる感情はじつに日常的なものである。
ひとが自分をどう思い、どう評価するかを不安に思い、社会との関係に苦しむ患者たちの姿は、
現代の私たちと驚くべき共通性を持っている。
日常的な感情が被害妄想へと展開する重層的でダイナミックな経過を鮮やかに描き出す、
ジャネ晩年の精華である。
内容(「BOOK」データベースより)
妬み、気後れ、自己不全感…なぜ日常の感情が被害妄想への変貌を遂げるのか。妄想に先立ち、妄想を駆動する感情のメカニズムを鮮やかに解き明かす古典的名著。