芸術学・哲学・建築・現代美術・舞台芸術など多岐にわたる批評活動で活躍する多木浩二氏による講義をまとめた著書。そこで取り上げられているのは以下の四名。
Anselm Kiefer(ドイツの芸術家、1945-)/キーファーの七つの塔
ここで紹介されているのは、2004年に発表された巨大作品「天の王宮」。コンクリート製の荒々しい塔が立ち並ぶ様は、まさに「未来の廃墟」。破壊の結果としてではなく、創造的廃墟が訴えようとしているのは一体?
Mario Giacomelli(イタリアの写真家、1925-2000)/ジャコメッリの詩的世界
人間の根源的問題である「生と死」、大自然に帰属する「風景と大地」という、一見すると全く異なるテーマに注目した作品を撮り続けるが、その作品群からはそれらがしっかりと繋がり、ひとつのものとして捉えられているのが伝わってくる。
Richard Avedon(アメリカの写真家、1923-2004)/アヴェドンの肖像
様々な人間の顔写真(肖像)を撮り続けるアヴェドン。世界的著名人から放浪者、自分の父親に至るまで、様々な人間の「顔」を撮り続ける。顔にはその人が積み重ねてきた人生が刻み込まれているというが、肖像を見ながらその人の職業や人柄を想像するのも一興。
Rem Koolhaas(オランダの建築家、1944-)/波を上手く捉えるサーファー
この項目については、実際に多木氏の講演を聴きに行ったのだが、レムの魅力が語りつくされており、非常に興味深い。(本書では軽く流されているのが残念)
多木氏の著書には建築に関するものも多く、広範囲に及ぶ知識に基づいて繰り広げられる批評・分析は一見の価値あり。