この演習書は画期的と言っていいかもしれない。解答別冊式で単独での学習もできる;英文法書の参照先を示している;文法全体をカバー;ニュアンスまで考慮して良い英文を示している、といったこれまでにない質の高さと利便性を兼ね備えた演習書といえる。さすがピーターセン参画の書である。『実践ロイヤル英文法』の問題解説は不十分なので実用的観点からはこちらがよい。
ただ、元が『ロイヤル英文法』という、どちらかと言えばこれまでの旧来式文法書の流れの関係上、様式上はそれに追従せざるを得ないことや、量が足りないので(3倍ぐらいが理想か)、あくまで骨子部分で終わっている点である。それに、初心者・初級者には辛い内容ではなかろうか。どちらかというと受験生よりは大学生、社会人の方に有益であろう。読んでもピンと来ない解説が多いと思う。その意味では練習量がそこそこある入門編的なものが用意される必要がある。買ってはみたものの辛いと感じる人はエイザーの初級あたりから始めてみるといいかもしれない。英文法そのものが辛い人はロイヤルシリーズよりさらに易しい『ルイちゃんの英文法 英語の言語感覚』をまず一通り読むことをお奨めする。これによって解説の理解がかなり進むであろう。ピーターセンの岩波新書シリーズに抵抗のない人はこの書で基礎をお浚いすることをお奨めしたい。
『実践ロイヤル英文法』より先にこちらをやってみて、弱点を確認してから立ち戻った方が克服すべき点も明確で動機付けも強く、有効なやり方ではないかと思う。
ここに記載されている英文を暗唱して活用できれば、一般人なら大抵は困らないと思うが、この書をやっただけでは英文は書けない。それを望む人は、問題和文から英文を作ってみる練習を勧める。短文なので可能だし、これができれば、正しい(しかも自然な)英文を書く下地はできたと考えてよい。
さらに進めてピーターセン自身で完結した英文作成指南書を出していただけないものかとずっと念じているのだが。。。