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5つ星のうち 4.0
司馬遼太郎の絶筆,
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レビュー対象商品: 街道をゆく 43 濃尾参州記 (朝日文庫) (文庫)
薄い。しかし、司馬遼太郎の絶筆を収めた格別な本である。濃尾地方出身の武将、特に信長・秀吉・家康について書くつもりだったのだろうが、わずか7話しか遺せなかった。信長に関しては桶狭間の古戦場を巡り、義元を迎え撃つ信長の行動を描く。迂回奇襲説を採り、最近有力になりつつある正面攻撃説と相容れない箇所もあるが、若き信長の疾風のごとき進軍の様がきびきびと描かれ、街道をゆくシリーズでも屈指の名文だと思う。それに対して秀吉には触れることができず、蜂須賀小六を語るにとどまる。家康は先祖が三河に定着するまでと、人質・一向一揆・信玄との戦いといった家康若き日の苦労を描いた、絶筆「家康の本質」が、その続きを読みたいという所で終わっていて、本当に残念だ。 司馬さんの書としては未完に終わったが、本の半分を、安野光雅の画と長谷忠彦の写真で構成した「濃尾参州記」の風景と、安野光雅の司馬千夜一夜、村井重俊の名古屋取材ノートからなる「濃尾参州記」余話で補っている。取材の旅で見える司馬さんの素顔に接することができるが、取材時にはあんなに元気だったのに、と思うと、司馬さんの早すぎた死が惜しまれてならない。
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