著者は、色々な著作で、土地を実際に耕す農民が土地の支配権を貴族=不在地主から奪った鎌倉政権の成立を日本史上の画期と評価している。その鎌倉を抱え、源頼朝の挙兵に尽力し、有力御家人となりながら滅ぼされた三浦氏の名にちなむ三浦半島。その三浦半島を旅しつつ、日本の古代(=貴族政権)を終わらせ中世(=武士政権)へというターニング・ポイントとなった歴史の激動期の時間を旅する。
そして軍港・横須賀。戦艦・三笠とくれば、当然帝国海軍、特に日露戦争の日本海海戦について著者は熱く語りだす。
小さな半島だが日本の歴史を大きく変えた震源地である三浦半島を巡る著者はいつになく活き活きしているように感じられて、街道をゆくシリーズの中でも好きな巻だ。