青森は貧しい国ではない。三内丸山遺跡に代表されるように、縄文時代は豊かな国であったし、棟方志功、太宰治等の文化人を育んだ土地である、という著者の青森への愛情が詰まった本。竜飛岬から下北半島まで、ほぼ青森全土に足を運ぶ。街道をゆくシリーズで、一巻で一つの県のほぼ全土を取材したのは、本作だけではないだろうか。一度取材旅行を終えた後、三内丸山遺跡が発掘されると、再度足を運ぶ念の入れようだ。
著者の博識が青森の風土に触発されて奔流のように溢れ出る。下北半島では、戊辰戦争後に移住させられた会津の人々の苦難にまで思いをはせる。
新幹線が青森まで延びて北の国が近くなった今、青森旅行を計画するなら是非事前に読んでおきたい本だ。