文字通り、北海道のオホーツク沿岸を旅する紀行文だが、2回旅をしている。1回目は網走周辺で秋のサンゴ草で真っ赤になる能取湖やモヨロ貝塚等。2回目は冬の稚内から知床までのオホーツク沿岸走破。
本作は、幼いころからの著者の考古学好きが発揮された好著。日本人の一起源として、現在の我々の血に、微量ながらも北方の樺太や大陸からやってきた「オオーツク人」の血がまじっていることを確かめる壮大な旅だ。「オホーツク人」=アイヌ民族ではないが、アイヌ民族とその先達の研究者も語る。古代だけではなく、松前氏の歴史や間宮林蔵、北海道の命名者・松浦武四郎にも筆は及ぶ。
歴史的・考古学的視点だけではなく、現代の小清水等の景観にも触れることを忘れない。
北海道に関心を持つ人には是非一読をお薦めする。