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街道をゆく 28 耽羅紀行 (朝日文庫)
 
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街道をゆく 28 耽羅紀行 (朝日文庫) [文庫]

司馬 遼太郎
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

司馬遼太郎の『街道をゆく』が、読みやすい新組みに生まれ変わって再登場。全43巻、毎月4冊同時刊行。ひょっとすると、父母未生以前に、自分はこの耽羅国にいたのではないか──シャーマン、海女、モンゴル馬など、若いころから思い続けていた古代が息づく島、韓国・済州島を2度のわたって訪れ、韓国と日本の文化の原像を探る。

内容(「BOOK」データベースより)

韓国南端の済州島を、そこを故郷に持つ在日の畏友二人を先達に歩く。日本に押し寄せた蒙古軍が馬を肥やした漢拏山麓の草原をめぐり、巫人や海女など古層で日本文化とつながる民俗を訪ねる。繰り返し表れるのは、朝鮮史五百年の停滞をもたらした科挙および朱子学への強い批判と、巻き込まれざるを得なかった民衆への哀憐の情。著者による朝鮮(民族)論の集大成の観がある一冊。

登録情報

  • 文庫: 353ページ
  • 出版社: 朝日新聞出版; 新装版 (2009/2/6)
  • ISBN-10: 4022644818
  • ISBN-13: 978-4022644817
  • 発売日: 2009/2/6
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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形式:文庫
耽羅、「タンラ」、あるいは、「たむら」。
すなわち、済州島のことである。

そこは韓国唯一のミカン栽培地、という紹介から始まって、じっくりその独特の文化のひだを分け入るように、司馬氏の筆は進んでいく。

身近な韓国というだけで、充分に興味深いが、司馬氏自身が、念願の旅先のひとつとして思いつづけていた土地、というだけに、冷静ながらも熱のこもった観察・発見の文章を堪能できる。
(ちなみに、司馬氏念願の5大旅行地は、モンゴル、バスク、アイルランド、ハンガリー、済州島だったとのこと)

良き道案内として、姜在彦(カン・ジェオン)氏を得て、文献と耳学問との両方向から、済州島――ひいては韓国、日本、モンゴル――の実態と関連性が、ふかく、だが平易に、解き明かされていく。
読むほどに、しみこむ、そんな平易な筆さばきが、じつにありがたい。

韓国における流罪の地であった、ということからの連想で、菅原道真の生涯を振り返る相当長い脱線も、転んではタダでは起きぬという中身で、それはそれで面白く読める。
(在野の知識人、司馬氏が、昔も今も変わりのない公職の官僚学者たちの醜くおぞましい人事抗争・出世競争を、おもう存分に揶揄しているのだった)

このレビューは参考になりましたか?
11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 993改 #1殿堂 トップ500レビュアー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
朝鮮半島の南に位置する済州島についての紀行文です。「街道をゆく」シリーズの1つの楽しみとして、著者が同行した人々の性格や所作を、非常に好ましく描いていき、こちらまで素敵な気分に浸れることがあります。今回も、済州島出身の玄文叔氏、姜在彦氏という人物的にも、そして、業績面でも素晴らしい人々を、著者は暖かい筆致で描いており、清々しい気分にさせてもらいました。
何か、読後感が、他のシリーズの本に似ているなあと思ったら、「台湾紀行」のような感じといえばいいでしょうか。著者のいつもながらの、膨大な思索量と、暖かなまなざしに触れることができる面白い1巻です。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ともぱぱ 殿堂入りレビュアー トップ50レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
常世の国と呼ばれる済州島を訪れて、目にしたもの、様々な思索を綴った紀行文。朝鮮半島とは海を隔てた島であるがゆえに育まれた独特の風土、悲劇を交えた歴史へと著者の筆は縦横無尽に及ぶ。結局、済州島とは韓国にとって日本の沖縄のような存在なのだろう。

TVドラマ・チャングムでも描かれていたが、流刑の地であったために悲しい故事もある。そして意外に知られていないのが、モンゴル帝国と徹底的に抗戦したこと。三別抄の奮戦と全滅である。もしモンゴルが済州島制圧に時間をとられなかったならば、元寇、いや日本の歴史は大きく変わっていたかもしれない。そういう意味でこの島は日本の歴史と関わりがある。

そういった日本人が知っておくべき歴史にも触れながら、島の人々の生活を見つめる著者の視線はどこまでも温もりがある。近いけれども、対馬海峡にないから日韓の交流史に登場しない「遠い」島。その近くて遠い島の素顔に触れることのできる素敵な本です。
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