比叡山には八瀬からケーブルカーとロープウェーを乗り継いで行ったことがある。そこからシャトルバスの停留所まで行くとまだ運行時間前。山歩きにはふさわしくないスニーカーで、雨上がりのややぬかるんだ山道を30分ほど、すべるときには木々につかまりながら、根本中堂まで歩いた事がある。その時、ほんの少しだけ、お山に触れたような気がした。
この本を開いて、その時のことを思い出した。この本では、比叡山の中だけではなく、麓の坂本や天台寺院の数々の過去の歴史、過去の人物のことにも詳しく触れられていて、普通の紀行文を読むだけではなくて歴史的なことも同時に学ばせていただいた。また、司馬遼太郎先生の知人の方が法華大会をうけられた話が最後の章に書かれていて、その臨場感も素晴らしかった。