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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
北の大地に染み込んだ、情熱と悲しみ,
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レビュー対象商品: 街道をゆく 15 北海道の諸道 (朝日文庫) (文庫)
函館から札幌、陸別へ至る道のりが今回の「街道」です。稲作が根付かなかった―すなわち「中央」と文化的根源を共有しなかったために(「おかげで」と言うべきか)、本州と一線を画して歴史を歩んだ北海道。その足取りを、時に軽やかに、時に丹念にたどっていきます。近代の開発にあたり、米国の農務長官を招聘するという荒業に及んだ、開拓史次官黒田清隆。一夜にして住処を嵐の中に失い、新天地に懸けざるを得なかった新十津川の人々。70歳を過ぎて、未開の陸別に夢を託した関寛斎。文字通りに風雪に耐え抜いた彼らの気概が強く強く伝わります。一方で、開発にあたって人を「モノ」同然に投下した、明治政府高官たちへの筆者の激しい憤りもまた心を揺さぶります。 おなじみの須田画伯もさりげなく登場。彼らの旅とともに、北の大地に染み込んだ、情熱や悲しみをしっとり味わえる一冊です。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
道南から道央へ、開国前後から北海道開墾史を辿る旅,
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レビュー対象商品: 街道をゆく 15 北海道の諸道 (朝日文庫) (文庫)
街道をゆくシリーズでは著者は北海道を2度採り上げている。「オホーツク街道」と本巻だ。「オホーツク街道」は主に宗谷から知床までオホーツク海岸沿いの町や遺跡を訪れ、日本人の血に混じっている北方民族の影を探る旅であるのに対し、本巻は函館、渡島半島、そして札幌を経て十勝、道内の最極寒の地・陸別に至る。地理上の旅と歴史を遡る時間の旅が組み合わされるのが街道をゆくシリーズの魅力だが、本巻での時間の旅は江戸時代の日露外交史(高田屋嘉兵衛)、松前氏の成立から明治維新(榎本武楊と開陽丸の運命)、そして北海道開墾初期の歴史(新十津川村の成立等)まで。様々な土地と蝦夷・北海道史が語られるが、本巻を通底するのは、「寒冷」だろう。蝦夷地に渡った人々が寒冷な冬に対して無防備であったための苦労に度々筆が及ぶ。しかし、著者は寒冷な気候故に北海道が本土の画一的な稲作文化から免れ、日本の風土に多様さがもたらされたことに目を向けている。もちろん、開拓者の苦労をリスペクトしつつ。旅がそのようなパイオニアの1人である関寛斎縁の地・陸別で終わるのが本巻を象徴している。
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